インドにおけるPCT国内段階は、最先の優先日から31か月以内にインド国内段階出願を提出することで開始されます。日本の出願人の場合、この31か月の期限内に処理すべき事項がもう一つあります。日本語で出願されたPCT国際出願は、インド移行時に明細書、特許請求の範囲、要約、図面中の文言すべてについて英訳文を併せて提出する必要があり、審査請求(様式18)も同じ31か月以内に行わなければなりません。
本ガイドは、日本企業、大学や研究機関、スタートアップ、そして日本の特許事務所がインド国内段階を準備する際に実際に直面する論点を中心に作成しています。インド特許法および特許規則の一般的な解説は英語版の原文ガイドと同じですが、日本の出願人に特に関係する部分(翻訳、様式3、手数料区分、早期審査の資格、日印PPHの現状、委任状と承継書類)を独立した項目として扱います。
要点
- 国内段階移行の期限:最先の優先日から31か月。期限を徒過するとインドでは取り下げとみなされ、一般的な期限回復手続はありません。
- 審査請求(様式18):2024年3月15日以降の出願は国内段階移行と同じ31か月以内。実務上は移行と同時に提出します。
- 日本語PCT出願:英訳文の提出が必須であり、翻訳の正確性が審査全体に影響します。
- 様式3(第8条の陳述書):出願後6か月以内に提出し、その後は第1回審査報告書(FER)の発行日から3か月以内に更新します。
- 手数料:日本企業の出願人は原則として「その他の出願人」(大企業)の料率。ただし日本のスタートアップおよび小規模事業者は、宣誓書の提出により減額料率と早期審査の資格を得られます。
- 日印PPH:2019年12月に開始された試行プログラムは2022年に終了しており、本ガイド作成時点で運用されていません。
日本の出願人にとってインド国内段階が重要な理由
インドは、日本企業の自動車、電子機器、化学、素材、医薬分野のPCT出願が国内段階に移行する主要国の一つです。インドの特許手続は法定期限を過ぎると柔軟性がほとんどないため、日本で管理する多国籍ファミリーの中でインドの期限を個別に、かつ保守的に管理することが重要です。
日本の出願人が他国で慣れている手続とインドが異なる点は主に三つあります。第一に、審査請求の期限が国内段階移行の期限と同じです。第二に、日本語出願の英訳文が移行書類の一部です。第三に、対応外国出願の進捗をインド特許庁に継続的に報告する第8条の義務があります。
インドPCT国内段階の主な期限
国内段階移行:最先の優先日から31か月
PCT国際出願は、最先の優先日から31か月以内にインド国内段階に移行しなければなりません。この期間内に国内段階出願を提出しなければ、当該出願はインドにおいて取り下げられたものとみなされます。インドの法令はこの期限を徒過した場合の一般的な期限回復手続を設けていないため、実務上は二重確認の期限管理システムと事前の余裕期間を設け、期限よりかなり前に移行を確保するのが通例です。
審査請求(様式18):31か月
2024年3月15日に施行された「2024年特許(改正)規則」により、2024年3月15日以降に出願された場合、様式18による審査請求は、優先権を主張する場合は最先の優先日から、優先権を主張しない場合はインド出願日から31か月以内に提出しなければなりません。2024年3月15日より前の出願には従前の48か月の期限が引き続き適用されます。
実務上、日本の出願人の大半は国内段階移行と同時に様式18を提出します。期限を一本化でき、別途の期限徒過リスクがなくなるためです。
標準期限内に様式18を提出できなかった場合、改正後の規則第138条に基づき様式4で申請し所定の手数料を納付することで、最長6か月の延長を受けられます。ただし延長の許否は長官の裁量であり、通常の手続として期待すべきものではありません。インド特許期限の延長範囲については、当事務所のインド特許期限延長ガイドをご参照ください。
PCT制度上の公式手続要件は、WIPO PCT出願人ガイド インド編をご参照ください。
公開:18か月
インド国内段階出願は、早期公開を請求しない限り、最先の優先日から18か月後に公開されます。早期審査を請求する場合は早期公開請求(様式9)を併せて提出する必要があります(後述の早期審査の項を参照)。
第1回審査報告書(FER)への対応:6か月
第1回審査報告書(FER)が発行されると、発行日から6か月以内に出願を特許査定可能な状態に整えなければなりません。期間満了前に様式4で3か月の延長を申請できます。最終期限内に対応しなければ、特許法第21条第1項により出願は放棄されたものとみなされます。
日本語PCT出願の英訳要件
日本語はPCTの国際公開言語であるため、日本語で出願されたPCT国際出願は日本語で公開されます。インド特許庁は、英語またはヒンディー語で出願または公開されていない国際出願について、願書、明細書、特許請求の範囲(第19条または第34条の補正がある場合は当初の請求の範囲と補正後の請求の範囲の両方)、図面中の文言、要約の翻訳文を国内段階出願と併せて提出するよう求めています。
日本の出願人にとって実務上重要な点は次のとおりです。
翻訳文がそのまま審査対象になります。 インドの審査は提出された英語書類を基準に進められます。日本語原文ではなく、英訳文に記載された請求の範囲の表現が、新規性、進歩性、明確性、サポート要件の判断基準となります。
WIPOの翻訳題名と異なる場合はインド提出分が優先されます。 PCT公開時に国際事務局が英訳した発明の名称と、出願人が提出した検証済み英訳文の名称が異なる場合、後者が記録に残ります。
用語の一貫性の確認が必要です。 日本語の技術用語を英語に移す際、明細書と請求の範囲で同一の構成要素が異なる英語表現に訳されると、明確性の拒絶理由の原因となります。特に自動車、電子、化学の分野では、特許庁(JPO)出願と米国、欧州に提出した英語ファミリー書類があれば、それを基準用語集としてインド向け翻訳文を揃えることが望まれます。
翻訳者の確認書が添付されます。 実務上、翻訳文には翻訳の正確性を確認する翻訳者の確認書または陳述書が添付されます。別途の公証やアポスティーユはインド特許規則上要求されていません。
日本語PCT出願でよく生じる翻訳上の問題
- 「〜を特徴とする」を機械的に “characterized in that” と訳し、前提部と特徴部の境界が不明確になる
- 「〜手段」を “means” と訳したまま、対応する構造が明細書に十分記載されていない
- 数値範囲や単位の表記の脱落または変更
- 図面符号と明細書中の構成要素名称の不一致
- 補正後の請求の範囲(第19条または第34条)と当初の請求の範囲を混同し、一方のみを提出する
インド国内段階移行に必要な書類
基本書類
国内段階出願は、該当するPCT出願番号を記載した様式1の願書で開始し、国際段階で提出された明細書、特許請求の範囲、要約、図面で構成される完全明細書を添付します。PCT第19条または第34条の補正がある場合は補正後の明細書がインド審査の基準明細書となり、審査記録の完全性のため当初の明細書も併せて提出するのが通例です。
国内段階移行時には特許規則第20条第1項に基づき、別途の補正申請なしに請求項を削除できます。ただし削除のみが認められ、追加、修正、変更は様式13による別途の補正申請が必要です。インド国内段階の手数料はインド出願日時点でPCT国際出願に記載された請求項数とページ数に基づいて算定されるため、移行時に不要な請求項を削除すれば公式手数料を抑えられます。
日本企業出願人の法定様式
様式18(審査請求): 上記の31か月の期限内に提出します。
様式3(第8条の陳述書および誓約書): 同一または実質的に同一の発明に関する外国出願情報を提出します。日本の出願人は通常、JPO出願(優先権基礎出願)と米国、中国、欧州、韓国など同一ファミリーの出願をすべて記載します。詳細な期限は後述の様式3の項をご参照ください。
様式26(委任状): インド登録弁理士を選任する場合、特許規則第135条に基づき様式26または委任状を出願日から3か月以内に提出しなければなりません。提出されない場合、補完されるまで出願の後続処理は進みません。特許規則は委任状の公証や領事認証を要求しておらず、会社の代表者または権限を有する役職員の署名で足ります。他のインド出願で既に包括委任状を提出している場合は、担当弁理士が自己証明した写しを提出できます。
様式5(発明者宣言書): PCT国内段階出願には発明者宣言書が必要です。様式4で申請すれば、完全明細書提出日から1か月以内の提出が認められることがあります。
出願する権利の証明: 出願人が発明者でない場合(日本企業が職務発明を承継する通常の場合)、様式1の該当欄に発明者が署名するか、発明者から出願人への譲渡証をインド出願日から6か月以内に提出しなければなりません。日本企業の実務では発明者が退職している場合に署名の取得が難しいことがあるため、JPO出願段階で確保した職務発明の承継書類をインド提出用にも併せて準備しておくのが安全です。
様式28(スタートアップまたは小規模事業者の申告): 減額料率の適用を受ける日本のスタートアップまたは小規模事業者は、手数料が課されるすべての書類に様式28とその証拠を添付しなければなりません。
事案別書類
生命工学発明の電子形式配列表、名称変更証明書、国際事務局が送付していない優先権書類(PCT規則17.1に従って送付された場合は不要)などが該当します。
様式3と第8条:日本のファミリー出願の報告義務
インド特許法第8条は、出願人に対し、同一または実質的に同一の発明に関する外国出願情報を特許庁に提出し、継続的に更新する義務を課しています。日本の出願人は通常、JPO基礎出願を含め複数国にファミリーを保有するため、この義務の範囲は広くなります。
2024年改正規則後の期限は次のとおりです。
- 最初の様式3: インド出願日から6か月以内(特許規則第12条第1A項)。
- 更新: 第1回審査報告書(FER)の発行日から3か月以内に、それまでの外国出願の進捗を更新します(改正規則第12条第2項)。従前のように外国出願があるたびに6か月以内に更新する必要はなくなりました。
- 長官の求め: 長官は第8条第2項に基づき、理由を記載したうえで2か月以内に新たな様式3の提出を指示できます。長官は公開データベースを用いて外国出願情報を直接確認できます。
- 延長: 様式4で申請すれば最長3か月まで延長または遅延の宥恕が可能です。
日本の出願人が留意すべきは、JPOの審査結果(拒絶理由通知、特許査定)および米国、欧州の審査経過がインド審査官の参考資料となる点です。様式3の記載漏れは審査遅延の原因となるだけでなく、登録後の無効理由としても主張されうるため、ファミリー全体を正確に記載する必要があります。
手数料:日本の出願人の出願人区分
インド国内段階の公式手数料は2003年特許規則第1附則に規定されており、出願人区分、請求項数、明細書のページ数によって決まります。基本出願手数料には請求項10項と30ページが含まれ、超過分には項ごと、ページごとの追加手数料が課されます。審査請求(様式18)にも別途の法定手数料があります。公式手数料と代理人費用を含む全体の費用構造は、インド特許費用ガイドをご参照ください。
日本企業はどの区分に該当するか
インド特許規則は出願人を自然人、スタートアップ、小規模事業者、教育機関、そしてその他の出願人に区分します。日本の大企業および中堅企業には「その他の出願人」の料率が適用されます。
スタートアップと小規模事業者の区分はインド企業に限定されていません。
- スタートアップ: 特許規則第2条(fb)により、外国法人であってもインド政府のスタートアップ・インディア(Startup India)制度が定める売上高基準と設立後経過期間の基準を満たし、その旨の宣誓書を提出すればスタートアップとして認められます。売上高の換算にはインド準備銀行(RBI)の基準レートが適用されます。
- 小規模事業者: 特許規則第2条(fa)により、外国企業は設備投資額がインドの「中小零細企業発展法2006」の限度内であることを宣誓すれば小規模事業者として認められます。
区分を誤って申告すると、手数料不足の通知、手続の遅延、または登録後の紛争の原因となりうるため、減額料率を適用する前に基準充足を書類で確認するのが原則です。
インド国内段階出願に納付する公式手数料は、当事務所の特許手数料計算ツールで出願人区分、請求項数、ページ数を入力して算出できます。
早期審査:日本の出願人が利用できる経路と日印PPHの現状
インド特許規則第24C条は、様式18Aによる早期審査の請求を認めています。早期審査請求は電子提出のみ可能で、審査請求の期限(31か月)内に行う必要があり、出願がまだ公開されていないか早期公開を請求していない場合は早期公開請求(様式9)を併せて提出しなければなりません。既に様式18で審査請求をしている場合でも、差額手数料と証拠を提出して早期審査に転換できます。
日印PPHの現状
第24C条第1項(j)号は、インド特許庁と外国特許庁との取決めに基づく出願人に早期審査を認めています。インド特許庁と日本特許庁(JPO)の間では、2019年12月に3年間の特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムが開始され、JPOで特許可能と判断された請求項を基礎にインドで早期審査を請求できる経路が設けられていました。
ただし、この試行プログラムは2022年に終了しており、本ガイド作成時点で日印PPHは運用されていません。したがって、現時点ではJPOの特許査定を根拠に(j)号による早期審査を請求することはできず、日本の出願人は下記の他の事由に該当するかを検討する必要があります。日印PPHの再開や新たな取決めの有無は、インド国内段階移行の都度、当事務所で最新状況を確認いたします。
現在利用できる早期審査の事由
- スタートアップまたは小規模事業者: 上記の基準を満たし宣誓書を提出した日本のスタートアップと小規模事業者。早期審査請求後にスタートアップまたは小規模事業者の地位を失っても、その理由のみで請求が問題とされることはありません。
- 自然人の出願人に女性が含まれる場合: 出願人全員が自然人で、そのうち1名以上が女性である場合。
- 政府機関または政府出資機関: 日本の政府省庁、政府が所有または支配する機関、政府が全額または実質的に資金を提供する機関。
- インドが国際調査機関(ISA)または国際予備審査機関(IPEA)に選択された場合: 日本の出願人は通常JPOをISAに指定するためこの経路は稀ですが、国際段階でインド特許庁をISAまたはIPEAとして選択していれば利用できます。
いずれの事由にも該当しない日本の大企業出願人は通常の審査手続に従うことになり、この場合、審査請求を移行と同時に提出することが審査順番を早める実質的な方法です。
手続の流れ:日本の出願人の実務
第1段階:国内段階出願の準備。 PCT記録を基に、出願人情報、発明者、優先権主張、書誌事項が国際出願と一致しているか確認します。日本企業の社名と住所の英語表記がJPO出願、PCT出願、インド出願の間で一致しているか必ず照合してください。表記の不一致は方式上の拒絶理由の典型的な原因です。
第2段階:翻訳と請求の範囲の検討。 英訳文を準備し、米国または欧州ファミリーの英語書類があれば用語を統一します。この段階でインドの審査実務に合わせた請求の範囲の構成も検討します。特にソフトウェア、AI、ビジネス方法関連の発明はインド特許法第3条(k)によりJPOより厳格に判断されるため、技術的効果とハードウェアとの連携が明細書に表れるよう、翻訳と補正戦略を併せて立てる必要があります。医薬発明については第3条(d)の効力増大要件を考慮します。
第3段階:様式の調整とコンプライアンス確認。 様式3のファミリー記載、様式26の署名、出願する権利の証明書類、出願人区分の宣誓書を一括して点検します。
第4段階:審査段階。 第1回審査報告書は先行技術の分析と明確性、サポート要件の拒絶理由を併せて扱うことが多くあります。応答書は法的主張、技術的説明、そして必要に応じてインドの審査基準に合わせた請求の範囲の補正を含みます。JPO審査で用いた論拠をそのまま翻訳して提出するのではなく、インド審査官が引用した先行技術とインド法の基準に合わせて再構成することが効果的です。
第5段階:聴聞と登録。 書面応答で拒絶理由が解消されない場合、審査官は聴聞を指定します。聴聞は具体的な未解決論点に集中し、インドの弁理士が出席します。拒絶理由が解消されれば登録および公告が行われ、その後は年金の納付により権利を維持します。
日本の出願人がよく直面するコンプライアンス上の問題
31か月と審査請求期限の混同。 国内段階移行と審査請求を別々の日程で管理し、審査請求の期限を徒過する例があります。2024年3月15日以降の出願は両期限が同じです。優先期間自体を徒過した場合の救済手続は、12か月のPCT期限を逃した場合のガイドをご参照ください。
翻訳の品質。 不完全または不正確な翻訳は方式上の拒絶につながり、審査における請求の範囲の解釈に影響しえます。日本語原文にない内容が翻訳文に含まれると、新規事項追加の問題が生じえます。
様式3の記載漏れ。 JPO基礎出願のみを記載し、米国、中国、欧州出願を漏らす例があります。ファミリー全体を記載する必要があります。
出願人区分の誤り。 日本の基準における中小企業がインド基準の小規模事業者要件を満たさない場合があります。インド基準は設備投資額基準であるため、別途の確認が必要です。
PPHの前提。 日印PPHが現在も利用できることを前提に出願スケジュールを組む例があります。前述のとおり試行プログラムは終了しており、早期審査が商業上重要な場合は他の事由の該当性を移行前に確認する必要があります。
FER対応の遅れ。 日本本社の社内検討、日本の代理人、インドの代理人を経る三段階の連絡体制では、6か月の期限が窮屈になることがあります。FER受領後直ちに対応日程を確定し、延長が必要であれば期限満了前に様式4を提出しなければなりません。
実務者のための留意点
インド国内段階の実務において手続上のリスクは、実体的な特許性の問題よりも、31か月の期限を前にした準備不足から最も多く生じます。日本の出願人の場合、翻訳、出願人区分、様式3の記載、審査請求を移行の2か月前までに確定しておけば、方式上の拒絶と遅延の大半を避けられます。
多国籍ファミリーを管理する日本企業と特許事務所にとっては、インドの期限を日本または全社の期限管理台帳に独立した項目として置き、インドの代理人とJST基準の応答時間を取り決めておくことが実質的な安全策となります。
インド出願前の予備検討と期限確認をご希望の場合は、PCT出願番号と最先の優先日をお知らせください。日本語でのお問い合わせには英語で回答いたします。必要に応じて日本の協力事務所を通じた調整も可能です。
よくある質問
インドPCT国内段階の移行期限はいつですか。
最先の優先日から31か月以内です。この期間内に提出しなければ、出願はインドにおいて取り下げられたものとみなされ、一般的な期限回復手続はありません。
審査請求の期限は今も48か月ですか。
いいえ。2024年3月15日以降に出願された場合、様式18による審査請求は最先の優先日(優先権を主張しない場合はインド出願日)から31か月以内に行わなければなりません。それ以前の出願には48か月が適用されます。
日本語で出願したPCTはインドで英訳文が必要ですか。
はい。明細書、特許請求の範囲(補正があれば当初分と補正分の両方)、図面中の文言、要約の完全な英訳文を国内段階出願と併せて提出する必要があります。実務上は翻訳者の正確性確認書が添付され、公証やアポスティーユは要求されません。
日本企業もインドでスタートアップまたは小規模事業者の減額料率を受けられますか。
可能です。外国法人であってもスタートアップ・インディア制度の基準(売上高、設立後経過期間)またはインド中小零細企業発展法の設備投資限度を満たし、宣誓書を提出すれば該当区分として認められます。その基準を満たさない日本企業には、その他の出願人(大企業)の料率が適用されます。
JPOの特許査定を根拠にインドでPPHによる早期審査を請求できますか。
現時点ではできません。日印PPHの試行プログラムは2022年に終了しており、本ガイド作成時点で運用されていません。日本の出願人は、スタートアップ、小規模事業者、女性を含む自然人出願人、政府機関など、特許規則第24C条の他の事由に該当する場合に限り、様式18Aで早期審査を請求できます。再開の有無は移行時に確認します。
様式3はいつ提出し、いつ更新しますか。
最初の様式3はインド出願日から6か月以内に提出します。その後、第1回審査報告書(FER)の発行日から3か月以内に外国出願の進捗を更新します。長官の求めがあれば2か月以内に新たな様式3を提出しなければなりません。
委任状(様式26)に公証は必要ですか。
特許規則第135条は様式26または委任状の提出を求めるのみで、公証や領事認証を要求していません。出願日から3か月以内に提出する必要があり、未提出の場合は補完されるまで後続処理が停止します。
第1回審査報告書(FER)に期限内に対応しないとどうなりますか。
FER発行日から6か月以内(様式4で3か月延長可能)に出願を整えなければ、出願は放棄されたものとみなされます。
インドで国内段階移行後、登録までどのくらいかかりますか。
審査の滞留状況と拒絶理由の複雑さによって異なり、通常審査の場合は数年を要することがあります。審査請求を移行と同時に提出し、早期審査の事由があれば活用し、拒絶理由に適時に対応することが期間を短縮する方法です。
パリ条約ルートとPCTルートのどちらが有利ですか。
パリ条約ルートは最先の優先日から12か月以内にインドに直接出願する必要があります。PCTルートは国際出願時にインドを指定し31か月以内に国内段階に移行するため、商業性評価と国の選択により長い時間を確保できます。体系的な比較は当事務所のパリ条約直接出願とPCT出願の戦略ガイドを、インドでPCT国際出願を行う手続はインドPCT出願ガイドをご参照ください。


